金融電卓ってみなさん持ってますか?
私は、以前紹介したウォーレンバフェット本「麗しのバフェット銘柄」の20ページにテキサスインスツルメンツの「BA-35ソーラー」なる金融電卓が紹介されており、「この電卓を使えばあらゆる株式の将来のリターンが簡単に計算できる。」と書いてあるのを読んで、初めて金融電卓という物の存在を知りました。
私は単純なので、「そんなに簡単に株式のリターンが計算できるなら使わない手はない!」と思いすぐに探しましたが、
このBA-35ソーラーなる金融電卓は既に生産中止で入手は困難!
日本製の金融電卓であればいろいろ安いものが、それこそヨリドリミドリなんですが、「バフェットになりきるにはやはり米国ブランド!」という単純な考えをもとに物色している中でこのヒューレット・パッカードのHP 12cという金融電卓に出会いました。
この金融電卓は1981年から基本設計を変えずに製造され続けている超ロングセラー商品ということで、普遍的な価値を追求し続ける「ウォーレン・バフェット的長期投資家」を自負する自分にとって「これは最適なチョイスだろう!」と思いネットでポチッとしました。
私が40数年間生きてきた中で、金融電卓を持っている人に出会ったのは、家の購入を考えている時に住宅メーカーの人が使っているのを見たくらいで、それ以外は皆無です。
自分はとある大学の工学部を(どうにかこうにか)卒業した身ということもあって、
関数電卓はものすごい普及していると感じたもんですが(自分の周りだけかも)、
金融電卓なんていう代物はまさに未知との遭遇でした。
で、金融電卓って何ができるの?っていうと、投資をやらない人にとっての一番のメリットは「住宅ローンの計算が簡単にできる!」ってことです。
たとえば、1,000万円借りて年利1%で35年払いの場合の毎月の支払額と支払金利の額を計算したり、住宅ローン減税が終わる10年後のローン残高なんてのも簡単に計算できたりします。
はっきりいって、住宅ローンなんて組まないし、投資もしないなんていう金融リテラシーの低い人にとっては無用の長物でしょう。
しかし、金融について自ら学び投資家を目指しているような金融リテラシーが高い人であれば、金融電卓の使い道はとても多岐に渡り、それを手にすれば鬼に金棒だと思います。
NISA,iDeCoとか?投資信託とか、
積み立て好きな投資家さんの使い方の例をあげると、
毎年10万円ずつ積み立て3%の複利で20年間運用したら20年後はいくらになるか?
→ 積立結果:269万円
とか
高配当株が好きな投資家さんであれば、
毎年配当が100円もらえる株があります。
10年後に2,000円で売れると仮定した場合、市場金利1%で割り引いた株の現在価値はいくらか? → 現在価値:2,758円
とか
不動産投資をする人であれば、
毎年2,000万円の家賃収入を得られるマンションがあります。
10年後に1億円で売れると仮定した場合、12%の利回りを確保する為にはいくらで買えばよいか? → 買値:1億4,530万円
とか
利付き債権の表面利率、償還日、目標利回りから価格を計算する
とか
年ごとにばらつく収益(キャッシュフロー)が得られる場合の投資収益率(IRR),純当初価値(NPV)を求める
とか
減価償却の計算
とかとか . . .
いったん金融電卓を手にすれば、お金に関するありとあらゆる計算やシミュレーションを行うことが可能になります。
まぁ、ハードウェアとして計算できるってのもよいところなんですけど、
自分にとってなにが良かったかというと、この金融電卓に出会ったおかげで、いろいろな投資に関する計算の方法を学ぶことができたというのが一番良かったことかな〜と思います。
このHP12cを買った時には、英語のUser's guideと日本語の操作ハンドブックがついて来たのですが、この日本語の操作ハンドブックはコピーにコピーを重ねたような印刷品質でお世辞にも褒められたような見た目ではないと思ったものです。しかしながら、その見た目とは裏腹に、その中身はとても価値があるものだなぁと今になって思っています。今は、日本語の操作ハンドブックは付属していないものが多いみたいですけど、ここからダウンロードできるようです。
このHP12cという金融電卓は逆ポーランド記法(Reverse Polish Notation, RPN)というキー入力方式が採用されていて、普通の計算をするのにも慣れが必要です。初めて使う人は普通の足し算すらできないんじゃないかという、じゃじゃ馬的な代物なんです。
1+1= (1足す1は?)
の計算する場合、
1 Enter 1 + (1に1を足す)
みたいな感じのキー操作が必要になります。
まぁ、なれるとどうってことないですが . . . ちょっと素人さんには難しいかも . . .
されにマニュアルを読んでいるとレジスタとかスタックとかストアするとか、どこかで聞いたことがあるような単語が並んでいます。まさに大学のZ-80とかいう8bitマイコンを使ったアセンブラプログラミングなんかの授業で聞いたことがあるような内容。
レジスタとかスタックとか8bitマイコンな用語が出てくるなんて、
「なんとマニアックな電卓なんでしょう!」
とマニュアルを読んでいて思ってしまいましたよ。
ということで、とりとめもなく書き散らしてしまいましたが、
今回はかなりマニアックなHP12cという金融電卓の紹介でした。
多分普通の金融電卓であれば、多分今回書いたようなことはできると思いますので、金融電卓を持っていない人、特に住宅ローンをこれから組む予定がある人なんかは、返済に関していろんなシミュレーションが簡単にできるので、金融電卓を一つ買って使ってみることをおすすめしますよ。
細かな銘柄選択よりも前に大きな投資戦略、人生設計を考えるのが一番重要ですので
・キャッシュを残してフルローン、キャッシュは投資で回すのがいいのか?
・頭金をたくさん出して金利払いを減らす、貯金が貯まったら繰り上げ返済がいいのか?
あなたはどちらを選びますかね?
どちらがどれだけ(何円?)有利か計算できますか〜?
でわでわ
2020/05/16 (土) [株式投資入門]
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