株価の最も大きな変動要因のPERと一株利益(EPS)

株価ってなぜ上がったり下がったりするのでしょうか?

株価の変動にはいろいろな要因があり、
その一つは需要と供給で一時的な変動が発生するパターン。

最近流行りのオーバーシュート(爆発的感染者急増)ではなく、
カッコ書きの注記の必要のない通常のオーバーシュートを伴い大きく動くケースが多いと思います。

一時的に受給バランスが崩れて適正な価格以上に価格が変動することですね。

これは時間の経過と共に定常状態に落ち着いていきます。

長期投資目線というかファンダメンタルズを重視する人はその会社の利益に対して株価の値踏みをした上で適正だと思う価格で売買しますので株価がある値に収束していくのです。

「利益をたくさん出す会社は価値が高いので株価が高くなる。」

「逆に利益が低い会社は価値が低いので株価が低くなる。」

これが株価変動の二つ目のパターンで主にファンダメンタルズを重視する投資家が価格決定を担うケースの考え方です。

このように会社の利益に対し今の価格が買われすぎで高い水準にあるのか?または売られ過ぎで低く割安な水準にあるのかというのを評価する指標にPER(株価収益率)っていうものがあります。

PERは株価が割高か割安かを判断する指標の中で最も代表的なもので、以下の式で簡単に算出できます。

PER = 株価 ÷ 一株利益(EPS)

一般的にはこのPERが15以下だと割安みたいな感じで使われます。
(利益成長を考えるとそんなに単純ではないですが . . . )

投資をやっている殆どの人は知っていることだとは思いますが、このPERの計算の仕方は2種類あるのを知っていますか?

その2種類というのは、PERを計算する時に使用する一株利益(EPS)をどこから持ってくるかという点で相違があり、代表的なのは以下の2パターンで一般的には今期予想EPSを使用するケースが多いようです。(Yahooファイナンス等)

・前期末EPS:決算が終わった前期の実績を使用する
・今期予想EPS:今期末の会社予想を使用する

これらのEPSがどこに書いてあるかというと決算発表の時に東証の適時開示にて公開される決算短信に書いてあります。下にTOYOTA自動車が2019年5月に発表した決算短信を貼り付けていますが、上の方に書いてあるのが前期末EPSで下の方に書いてあるのが今期予想EPSです。

決算短信の一株利益EPS

決算発表を境に株価が大きく動くことがありますが、これに関してKOBAが株式投資を始めた初心者の頃に、非常に不思議に感じたことがありました。

というのは非常によい決算結果、例えば前期に比べて純利益が20%増加の好決算であったりしても、大きく売り込まれて株価が下落することがあったり、逆に20%減益の結果であっても株価が上昇するとか、決算結果とは逆の方向に株価が変動することがよくあったからです。

なぜそのような動きをするかというと、これは投資家は現在または過去の数字なんかほとんど見ていないというのが原因の一つだと思います。

決算発表の時の株価を動かす最大の要因は会社の発表する今期予想EPSの値で、この値がみんなが予想しているEPSより高いと株価が上がり、みんなの予想より会社が発表する予想EPSが低いと株価が下がるという動きになります。

3月締めの企業については、4月下旬から5月に年間を通じた本決算が発表されていますが、今回行われた決算発表では新型コロナウイルスの緊急事態宣言、自粛や海外のロックダウンの影響で多くの企業で前年度実績利益は計画未達となっています。

又、今回発表されるはずだった今期予想利益については、コロナの影響で白紙状態で発表する企業が大半となっていますが、緊急事態宣言や自粛要請が解除された段階で各企業は今期予想利益を発表していくことになるかと思います。しかしながら、今期予想利益は相当な数の企業で減益や赤字になると思われます。

コロナ騒動の収束とともに予想利益の数字が発表されればその予想EPSに見合った株価に収束していくと思われます。しかしながら、その予想EPSは会社の実力を反映した数字かというと外部要因により一時的に発生した外乱を大きく含んだ値になっていると考えられます。

このような状況において適正な株価を算出する為にどんな指標を使えばよいかというと、コロナの影響を受ける前の実績EPSの数字を使うのがよいのではないかと思っています。

コロナの影響がなくなるまで資金が持たない企業やビジネスモデルが崩壊してしまうような企業には使えませんが、いずれ元通りの収益を稼げるようになる企業を選別し、実績EPSを使用し割安な水準まで売り込まれた時、それが投資実行の好機ではないかと考えています。

株価急落した割安株をここぞとばかりに買い込みコロナの波が通り過ぎるのを寝て待てば、いずれは株価も回復で資産急増!みたいな妄想を描いています。

それまではじっと我慢の子でアホールドしておけばよいではないでしょうか?

しかしながら、現在、株価は下がってはいるもののリバウンドの動きも早く、まだ楽観ムードがあるような気がします。

KOBAも少しずつ買ってはいますが、個人的には実態経済への波及が進む段階で更なる2番底もあるような気がします。というチキン野郎なので大胆には行けていません。社畜業務も忙しかったし . . .

しかしながら、長期投資目線で見れば買い場ではあると思うのでPERを計算しながらコツコツ拾っていきましょう!(投資は自己責任でw)

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